新・観光法制定へ
健全で持続可能な観光業の発展を目的として、観光分野を対象とした明確で、包括的、かつ透明性の高い新法がまもなく導入される。

写真)ブータンの独自の文化は観光産業の財産である。
現在、世界観光機関から派遣された国際法の専門家の手で持続可能な観光業に関する新たな法が制定中である。新法は、観光局職員によると「あいまいで、実施しにくい」現行法に取って代わられる。「われわれは、観光法をより合理的、かつ包括的で分かりやすい法律にしたい。」観光局代表のラトゥ・ウォンチュックは言う。
新法は、観光業の様々な関係者に対して、許可事項や禁止事項、行動規律、観光倫理、プロ意識の育成を事細かに規定している。そのうえで将来、観光業が雇用、投資、生産機会を生む成長分野となることを期待している。
法律の専門家、John J Downesによると、現行法は観光業の実情を反映しておらず、将来の変化への予測もなされていないという。
「何より、法制定なしには観光業発展の適切な枠組みは形成されない。さらにブータンは世界観光機関に加盟しているため、観光業発展の機会を得ると同時に、競争相手からの潜在的脅威にもさらされることになる。われわれが欲しているのは、開始時にはある程度の保護が必要とされるとしても、非常にプロ意識が高く、長期的視点に立ったときに競争力を持つ観光業の確立である。」
観光業に高いプロ意識を養成することは、政府の期待にあるように、若い人々の注目を集めることにもつながる。よって、旅行サービス業者は公的に認められた一定の基準を満たす必要があるといえよう。
「適切に法が施行され、価値の高く、環境への影響が低い観光業を形成するためには、強力で政府から独立した機関が必要である」
同専門家によれば、観光業の発展にとってはブータン人であることこそが強みになるという。しかしながら、ブータン人にはサービス提供の技術および自信の欠如は否めない、という。 「現在、ホテルは過剰供給が問題となっている。必要なのはホテル数やベッド数の増加ではなく、既存施設の改善である。そのためには投資環境の整備が必要である。」と同氏は述べる。
また、同法は地域住民が観光業からの利益を得られるように、地域住民による発言、観光業への参加、サービスおよび製品の提供を奨励している。
「地方分権化のプロセスにのっとり、同法はゾンカック、ゲオッグ、国家それぞれのレベルで何がなされるべきかを特定し、さらにこれらの3つのレベルの公的部門と民間部門の協力を取り付けることを狙っている。また、政府間の協力も必要である。」とJohn J Downesはいう。
また、同法はブータンが取り組む環境保全・保護活動も考慮している。
ほとんどの環境活動家は観光業に否定的であるが、ブータンは人々のために、環境保護および保全を経済的機会と結び付けている。われわれの実施している法制定の取り組みは他の多くの国の模範となりうる。」
観光局代表のラトゥ・ウォンチュックによれば、現在起草中の観光政策および観光業のマスタープランの法的根拠ともなる新法制定は非常に重要な動きであるという。
「われわれは観光業の利害関係者に指針を示す必要がある。というのも、意識的であるにしろ、ないにしろ、利害関係者は広範な分野に及ぶためである。」
さらに彼は付け加えて、新法は観光業における現状への対応策ともなる、としている。
新法は来年度はじめにも準備が整う予定。
(報告者 キンレイ・ウォンモ)
(原文は http://www.kuenselonline.com/article.php?sid=5706 )