犬問題に終わりなし
ティンプ市において、夜間の犬の遠吠えは非常に多い野良犬問題の氷山の一角にすぎない。時に野良犬は集団で対象、場所を選ばず人々を襲い、噛み付くのである。

写真)不妊キャンペーンが2002年から開始されている。
ジグメ・ドルジ・ウォンチュック国立病院(以下、JDWNRH)緊急治療室の医師によると、現在、一日平均で3人が犬にかまれて手当てを受けているという。しかも、この数に外来診察で治療を受けた人は含まれていない。
5月25日から、緊急治療室は犬に噛まれた患者の記録をつけ始めており、現在までに被害者数は129名にのぼっている。そのうち、42人が15歳以下の子どもであり、野良犬による被害が大部分を占めている。
JDWNRHの医師Nidup Gyeltshenによると「もし、噛んだ犬が特定できなければ、被害者は処置が必要である。逆に犬の特定が可能であれば、その犬が狂犬病でないか10日間観察しなければならない」。
今のところ、狂犬病が検出されたケースはない。
一方で市当局、農業省下の家畜局、および王国動物愛護団体(Royal Society for Promotion of Compassion towards animals, 以下RSPCA)は、2002年に開始された一連の不妊キャンペーンのもと現在5,000匹と見積もられている犬の数の減少を見込んでいる。
RSPCAのタシ・ペイデイは「出産件数が減れば,最終的には犬の数自体の減少につながる。われわれは現在、命ある犬にはその生命を全うして欲しいと考えている。この方法は時間がかかるが、確実な方法である。」
出産したメス犬はSerbithangにある動物保護施設に収容される。そこで母犬は不妊手術を施された後、解放される。一方で、子犬には里親探しが始められる。この計画の目的は犬の衛生状態を良好に保つことで、人間への感染の影響を防ぐことである。現在、動物保護施設には約100匹の犬が収容されている。
市当局のある職員は、すべての野良犬は動物保護施設に送られるべきだと考えている。その一方、RSPCA職員はそれではティンプの問題は解決されない、と考えている。
タシ・ペイデイによれば、「ティンプは陸の孤島ではないので、単に犬を除去するだけでは効果はない。一時的にティンプ市内のすべての犬を収容したとしても、近隣地域から犬が侵入する可能性も高い。単にティンプには餌があるという理由に加え、敵がいないからである。」
これらの議論を尻目に、ティンプ市民はますます攻撃的になる犬の集団から身を守ることに追われている。収容されている犬が100匹、市内を闊歩する犬が4,900匹という現状にほとんどの市民が悲観的である。
「不妊キャンペーンについては1970年以来聞かされてきました。もう、今となってはその効果は信じられません。」と、ある市民は言う。
「いま周りを見渡しただけでも、子犬があちらこちらで産まれているのです。」
(報告者 キンレイ・ウォンモ)
(原文は http://www.kuenselonline.com/article.php?sid=5745 )


