Japan-Bhutan Friendship Association

副会長 森靖之

 今年も桜の季節になりました。 
 桜で思い出すのは、ブータンにも桜があったことです。ヒマラヤ桜と呼ばれ、日本の桜と違って、深まる秋の11月末に開花します。ブータンに桜があると知らなかった私は、出張途中の山中で桜を見つけた時には感激しました。大きな木は、30メートル近くにもなると聞きました。日本の桜の原種は、ヒマラヤ桜との説もあります。
 このヒマラヤ桜を帰国後に調べてみましたら、ネパールから東京大学に留学していた故ビレンドラ国王が、皇太子時代の1967年に、熱海に寄贈したのが最初とかで、現在では、東京・丸の内の保険会社の玄関脇に、品川の弁天通り公園・戸越公園、文京区本郷の東大キャンパス内、小石川植物園、新宿御苑などに見ることができることが分かりました。都内の意外に近いところで見られることに驚かされました。
 他方、日本から海外に贈られた桜の方は、1912年に寄贈されたワシントンのポトマック河畔の桜が有名ですが、ブータンにも様々な団体や個人から贈られています。その最初は、私の知る限りでは、我が日本ブータン友好協会からのものが初めて(タシチョゾンの脇にある桜は日本からのものだろうか?)。2000年6月のことです。私がJICAブータン事務所長をしていた頃です。私は、当時、友好協会の野田英二郎会長を団長とする親善訪問団一行を迎える立場でした。一緒に植樹させていただいたのを思い出します。
 その後、2010年3月に岐阜さくらの会が、同じ年の7月にJICAボランティアの村松一弘氏が植樹を行っています。極めて近いところでは、福島県三春町が、今年2月に東日本大震災被災地支援で2011年11月にブータン国王ご夫妻が福島県を訪れたことへの感謝の意から「滝桜」を寄贈しました。
 残念ながら、我が協会の桜の苗木は国会議事堂前の中庭に植樹したほんの一部を除いてほぼ根づきませんでした。三春町の「滝桜」が、無事に育つことを祈っています。
 桜は、古くから、我が国の親善大使なのですね。満開の桜を見ながらこんなことを思い出してくれればありがたいです。

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