Japan Bhutan Friendship Association

日本ブータン友好協会事務局長 平山 雄大

2024年9月、デザインリサーチャーの故・井上耕一氏のご遺族から藤原整理事に、同氏が1991年8月及び2009年11月にブータンを訪問した際のフィルム写真を寄贈したいとのお話がありました。現物は4冊のスライドファイル(アルバム)に収められた合計1,120枚のポジフィルムから構成されていますが、フィルムのままでは写真内容の確認及びその有効活用が困難なため、藤原理事により、内容を抜粋したかたちでデジタル画像データへの変換処理(デジタル化)が行われました。これらのフィルム写真及びデジタル画像データを総称して「井上耕一ブータン写真アーカイブ」と名付け、寄贈を受けた日本ブータン友好協会が事務所にて保管し、必要に応じて活用させていただくことになりました。

井上耕一氏は1962年に専門学校桑沢デザイン研究所を卒業され、1971年から2003年まで、同校にて建築・デザイン理論を教えられました。並行してアジア、インド、中東、アフリカ各地においてデザインの視点を土台にしたフィールドリサーチを続けられ、2000年に『アジアに見るあの坐り方と低い腰掛』(丸善出版)を、2006年から2010年にかけて『身体装飾の現在』シリーズ3巻(朝倉書店)を出版されました。また、2019年には世田谷文化生活情報センター生活工房にて展覧会「〈すわる〉を旅する アジアとアフリカの、あの坐り方と低い腰かけ」を開催され、これまで収集されてきたアジア・アフリカ各地の写真200枚と30点以上の腰掛を展示されました。2021年には第29回桑沢賞(桑沢特別賞)を受賞されました。

ご寄贈いただいた写真アーカイブの詳細は次ページにございます一覧の通りで、焼失前のタクツァン僧院やワンデュ・ポダン・ゾン、改修・再建前のプナカ・ゾンやドゥゲ・ゾン、移転前のワンデュ・ポダンの町等、貴重な写真も多いです。1991年撮影のものから6枚、こちらに紹介させていただきます。

撮影年月日主な撮影地枚数うちデジタル化済
1991年8月5日パロ3825
1991年8月6日パロ195127
1991年8月7日ティンプー153118
1991年8月8日プナカ、ワンデュ・ポダン135101
1991年8月9日ワンデュ・ポダン、プンツォリン4325
1991年8月10日プンツォリン11
2009年11月23日サムドゥプ・ジョンカル92
2009年11月24日タシガン11927
2009年11月25日モンガル9017
2009年11月26日ルンツェ11120
2009年11月27日タシガン517
2009年11月28日タシヤンツェ10027
2009年11月29日タシヤンツェ、タシガン4815
2009年11月30日タシガン、サムドゥプ・ジョンカル276

※日本ブータン友好協会『日本ブータン友好協会会報 ブータン』第166号、14-15頁より転載。

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