Japan-Bhutan Friendship Association

監事 藤巻幸雄

 私の居住する東京都町田市が地元消防団で使用した中古の小型消防車を充分整備しブータン王国へ1994、95、96の各年1台計3台を贈り、併せて操法訓練にも人材を派遣している。
 この3台は当初ティンプーに2台、プンツォリンに1台と配置された。
 この経緯等は2014年に「三台の消防車」として本コラムに投稿した。
 投稿した時点では、プナカに1台、タシガンに1台、プンツォリンに1台の配置であった。
 私は、2016年9月に日本・ブータン国交樹立30周年、日本・ブータン友好協会設立35周年記念訪問に参加し、東部を廻る際にタシガンに寄った。
 かねて見たいと思っていたティンプーから遥々転勤してきた町田市寄贈の消防車をタシガン・ゾンの中で確認することができ、又この消防車が2016年2月には出動・活躍していると聞き頼もしく思った。
 ティンプーからプナカヘ配属替えとなっていたもう1台の消防車の写真を本年2月に当協会々員で、本年1月からシニア海外ボランティアでブータン在住、街造りに携わっておられる沖氏からいただいた。

(2016.09撮影 タシガンの消防車) (2017.02撮影 プナカの消防車)

 プナカの消防車は我々にとっては珍しい色に塗装替えされているが沖氏の見立てで町田市が寄贈したものに間違いない。
 何故なら、沖氏はかって青年海外協力隊としてブータンで活躍された折に火事の多さに消防車、特に小回りの利く小型車の必要を感じられ、帰国して市役所に戻られてからブータンに消防車を贈ることに尽力されたのである。
 言わば、嫁に出した娘を見た気持ではなかったと推察している。
 同氏は、これら消防車の経年劣化からなんとか部分、消耗品でも補給できないかとブータンの地から町田市々市役所へ在庫が残っていないか相談している。
 しかし、これら消防車はブータンして入りして既に20年を経過、部品存在の難しいことは想像できる。しかしブータンの火災ニュースが伝わってくるだけに淡い期待は持っている。
 昨年、私がタシガンで撮ってきた写真を市役所へ持って行ったところ、「エンジンは即掛かりましたか?」「何人乗って現場へ行きましたか?」「水は何メートル位飛びましたか?」等尋ねられて、残念ながら女性警備員と美人ガイドを介して無駄話をしてきたことが恨まれた。
 しかし女性警備員によれば「大切にして下さい」と代々申し送りされていると聞き、ひそかに嬉しかったことを思い出している。
 こうして2台の写真を並べることができると、プンツォリンからサムツェヘ配属替えになっているらしいもう一台の町田市寄贈消防車の写真も欲しいところ。
 いずれにしても、20年経過しても贈った3台がプナカ、タシガン、サムツェに存在していることが分かるのは有難いことと思っている。

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